ホームページは今、本当に必要? SNS時代に考える「役割」と「価値」

SNS全盛時代、本当に「ホームページ」は必要なのか?

「Instagram、LINE、TikTokがあれば十分じゃない?」
「競合も作ってないし、なくても特に困っていない」
「わざわざコストと時間をかける価値があるの?」

WEBマーケ戦略を考える上で、こんな疑問を持ったことはありませんか?

確かに、SNSの影響力は絶大です。InstagramやLINEを主軸に集客から販売までを完結させ、大きな成功を収めている事業者がいるのも事実でしょう。費用を抑えたシンプルなランディングページ(LP)のみで、十分な成果を上げているケースも珍しくありません。

ですが、ホームページにはSNSやLPとは違う“強み”があり、うまく活用することで成果に結びつきます。

本記事では、

  • ホームページの役割
  • どんな場面で効果的か
  • メリット・デメリット
  • ホームページが必要なビジネスのタイプ

といった視点から、「今、本当にホームページは必要なのか?」を考えるヒントをお届けします。
自分のビジネスにどう活かせるのか、整理するきっかけになれば幸いです。

ホームページは“経営の土台”になる

ホームページはよく「会社の顔」と言われますが、もっと具体的に言うと、「名刺」「営業所」「店舗」が一つになった存在です。

  • 名刺のように 初対面の相手に会社やサービスの第一印象を伝え、
  • 営業所のように 問い合わせや相談の窓口になり、
  • 店舗のように 商品やサービスを詳しく見せて売る場所にもなります。

しかも、ホームページは24時間365日休まず動く”営業マン”のようなものです。
ただし、ここで大切なのは「作って終わり」では効果が出ない ということ。

誰も見ない名刺や、看板もない空き店舗では営業にならないのと同じで、ホームページも定期的な更新やSEO対策、SNS連携などでしっかり「育てる」ことが大切です。

ホームページの主な役割

① 信頼の土台になる

ビジネスパートナーや顧客が名前で検索したとき、しっかりしたホームページがあると「この会社はちゃんとしている」と安心感を持ってもらえます。
問い合わせや面談前に検索される時代に、「検索したらちゃんとある」というだけでも、安心感を与え、信頼の一歩目をクリアできます。

② 検索からの集客入口になる

「地域名+サービス名」などで検索した際に見つけてもらいやすく、広告を使わず自然な集客が期待できます。広告と組み合わせることでさらに効果的に活用可能です。

またSNSだけでは取れない層(法人案件、リファラル、パートナー探し)にアプローチする際に、ホームページの有無が大きく影響します。

③ SNSの情報を補完する受け皿になる

SNSでは伝えきれない「企業の想い」や「実績」を見える化。
興味を持った人が「もっと詳しく知りたい」「この会社は信頼できるの?」と感じたとき、ホームページがあると安心材料になります。最新情報の発信や問い合わせ窓口としても役立ちます。

④ “まとめる場所”として機能する

SNSやLP、広告などの情報発信はバラバラになりがち。
ホームページがあることで、すべての導線を一つに集約し「何をしている人なのか」「なぜ選ばれているのか」がわかりやすくなります。

ホームページが特に効果を発揮するケース

どんな業種でもホームページがあると、会社やお店の信頼感が高まり、情報をしっかり伝えられるため安心につながります。
特に次のような業種では、詳しい情報発信や予約・取引の窓口として大きな役割を果たし、経営の強い味方になります。

  • BtoB(法人向け)事業
    取引先が事前に会社の実績や資格を確認しやすくなるため、信頼を得やすくスムーズな取引につながります。
  • BtoCの無形商材(教材やオンラインサービスなど)
    商品の詳細や体験談、FAQをしっかり掲載することで購入の安心感を高め、問い合わせや購入後のサポートもスムーズになります。
  • 医療・法律・士業・建築など専門性が高い業種
    専門知識や実績を丁寧に紹介することで安心感を与え、問い合わせや紹介を増やすきっかけになります。
  • EC(ネットショップ)
    商品情報やお客様の声、ブランドストーリーをまとめて管理できるため、リピート促進や顧客管理の効率化に役立ちます。
  • 予約が必要な美容室や飲食、整体など
    24時間いつでも予約やメニューを案内でき、機会損失を防ぐとともに、お店の雰囲気を事前に伝えて来店率を高めます。

ホームページの優先度が低いケース

一方で、ホームページが必須とは言えない場合もあります。特に次のようなケースでは、無理に大きなサイトを作らなくても日常の活動や集客は問題なく回ることが多いです。

  • Instagramやminneなどのプラットフォーム内で完結している販売
    特にハンドメイド作品やアート、写真販売などは、プラットフォームが集客から決済まで一括で対応してくれるため、独自のホームページがなくても売上に大きな影響はありません。
  • カフェや小売店舗など、SNSでの集客が十分に機能している場合
    口コミやSNSの投稿が主要な集客源になっていて、ホームページからのアクセスがほとんどない場合は、まずはSNS運用を優先し、必要に応じて簡単な紹介ページを作る形で十分なことが多いです。
  • フリーランスや個人事業主
    SNSの影響力が強ければホームページがなくても問題ありません。しかし「しっかりした印象」や信頼感を与えたいなら、ホームページがあると有利です。
  • 小規模な趣味やコミュニティ活動、サークル
    日常的な情報共有やメンバーとの連絡は、SNSやグループチャットで十分賄えるため、ホームページの必要性は低いです。無理に作って更新が滞るより、手軽に使えるツールを活用した方が効率的です。

ただし、Google検索や外部サイトからのアクセスを取りこぼさないためにも、ホームページを持っていることは長い目で見るとメリットがあります。

「必須ではないけど、あると安心」と考え、最小限の情報だけ掲載したシンプルなサイトを持つのが現実的な選択と言えます。

ホームページのメリット

  • 信頼性を高め、ブランド力を強化できる
    優れたホームページは、単なる情報の羅列にとどまらず、「安心して任せられる」「誠実かつ専門的」と感じてもらえる第一印象を生み出します。SNSが日々の発信に適している一方で、ホームページは企業の「公式な顔」として、企業理念や価値観、文化を丁寧に伝える役割を果たします。
  • 長期的な資産になる
    質の高いコンテンツを積み重ねることで、検索エンジンからの評価が蓄積されていきます。広告だけに頼らず、自然に人が集まる仕組みを育てていければ、会社にとって大きな武器になります。
  • 24時間営業の営業マンになる
    問い合わせや予約をいつでも受け付けられ、EC機能があれば自動的に売上を生み出します。人件費を抑えながら、安定して成果を出し続ける「仕組み」として機能します。
  • 効果的に見込み客を集める
    SNSや広告、口コミと組み合わせることで、見込み客を受け入れる「ハブ」として機能します。実績やストーリーを丁寧に伝えることで「信頼」が生まれ、選ばれる後押しになります。

ホームページを作るデメリット・注意点

  • 作るだけでは意味がない
    ホームページは「作って終わり」ではなく、運用してこそ価値が出ます。放置されたサイトは、情報が古くなり、かえって信頼を損ねる原因にも。定期的な更新や見直しが重要です。
  • 成果が出るまでに時間がかかる
    SEOだけでなく、ブランディングや問い合わせ数の増加などもすぐには効果が現れません。「作ったら反応があるはず」と期待しすぎると、モチベーションが下がることも。ある程度の「育てる」姿勢が必要です。
  • コストと時間がかかる
    無料テンプレートで簡易的に作ることもできますが、見た目や使い勝手に限界があります。プロに依頼すれば、費用や打ち合わせの時間が必要になりますが、その分成果にもつながりやすくなります。
  • 社内リソースが足りないと運用が止まりやすい
    SNSや広告と並行してホームページも更新・運用するには、ある程度の人的リソースが必要。社内に担当者がいなかったり、更新が後回しになりやすい体制だと、放置されて逆効果になることもあります。その場合、最初から更新頻度の低い「固定コンテンツ中心」で設計するのも現実的な選択です。

最後に:ホームページの必要性を見極める

一番大事なのは「何のために持つのか」をハッキリさせること。
目的が曖昧なまま作っても、効果は出にくいためです。

ビジネスモデルやターゲット、現状の集客状況によって必要性は変わりますが、次のようなニーズがあればホームページは強力な武器になります:

  • ネット検索で会社を調べられることが多い
  • 取引先や顧客に信頼感を与えたい
  • SNSや広告で伝えきれない想いや情報を届けたい
  • 長期的に自社の資産として育てたい
  • 予約や問い合わせの窓口を24時間開きたい

目的をはっきりさせて戦略的に運用すれば、信頼を生み、売上アップにつながる資産になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ホームページづくりの意味や可能性が、少しでも伝わっていたら嬉しいです。